ゼロイチCafeの豊田玲奈です。

学生の方でも英語の課題の成果発表やゼミの研究発表でプレゼンをする機会が多いですよね。社会人になるとどの企業でもプレゼンがさらに重要な役割を担ってきます。

大企業が株主に向けて行う株主総会、起業家が投資家に向けて行う資金調達のピッチ、また TED などのトークイベントなど、どの職種でもどの部署でもプレゼンは必須です。

このプレゼンで肝になるのが資料作成の質です。プレゼン技術もそうですが、資料がわかりにくければ伝えたいことも伝わりません。

今回そんなプレゼン資料作成のプロである木下さんにお越しいただき、これまで数億~数十億円規模の資金調達を実現した投資家向けプレゼン資料を作る中で培ってきたパワーポイント術の極意を教えていただきました。

皆さんもこの記事を通して、なかなか学ぶ機会のないパワポ術を自分のものにしちゃいましょう。

講師 木下 翔太

リライアンス・データ株式会社 取締役

2013年、関西外国語大学を卒業後、フリーランスのデザイナーとして独立。

在学中に『プレゼンテーションzen』の著者であり、世界有数のプレゼンターでもある Garr Reynolds 氏の下で培った、ノウハウ、経験を生かし、関西を中心に、企業、教育機関等、様々な業界のクライアントに対しプレゼンテーションのコンサルティングを行う。

代表の泉との出会いをきっかけに、2015年6月、 リライアンス・データ株式会社取締役兼クリエィティブディレクターに就任。上場企業の IR、ベンチャー企業の資金調達・大規模カンファレンス等へデザインの側面から支援を行う。


目次
  1. プレゼン資料の重要性
  2. コンテンツ設計のプロセス
  3. ビジュアライズのポイント

プレゼンには大きく分けると発表と資料作成の2つのプロセスがあります。発表はパフォーマンス力が求めらます。木下さんは2つ目のスライド資料のプロの方です。早速、資料作成のノウハウについて学んでいきましょう。

1. プレゼン資料の重要性

プレゼン資料を作成する上で重要なのが「作業効率」と「見栄え」です。

資料作成は手間と時間がかかる作業です。大企業の場合、1日の約1/3を資料作成に充てているという実態もあります。これを逆手にとると、資料作成を人の倍のスピードと倍のクオリティで出せれば、仕事のパフォーマンスは格段に上がります。この点で作業効率性を突き詰めることは非常に重要です。

同様にビジュアルはとても重要です。メラビアンの法則によると、話し手が聞き手に与える影響は「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つから構成され、それぞれの情報の影響力は視覚が55%、聴覚が38%、言語情報(話す内容)が7%であるそうです。コミュニケーションにおいて視覚情報は大きな影響力を持ちます。また、ビジュアルが良ければ可読性が上がり聞き手の理解のスピードも上がります。

コミュニケーションにおいては視覚情報の影響力が大きい

しかし何よりプレゼンの概念で一番大事なのは、「プレゼンテーションはプレゼント」であることです。つまり、何を届けたいかが大切で、聞き手のことを考えて資料構成をしなければプレゼンの意味がないのです。

2. コンテンツ設計のプロセス

資料作成の手順が不透明でやみくもに始めてしまう方も多いと思います。今回のパワポ術でそうした不安を一緒に解消していきましょう。

資料作成するとき最初にパワポを開きがちですが、パワポを作るのは手段であり目的ではありません。何のためのプレゼンテーションで、何を伝えたいのか整理したうえで取り組みましょう。木下さんおすすめのやり方は、紙をページ数で分割して、一枚の紙の上に手書きで整理する方法です。

書きたい内容をページ数に基づいて整理

ここで木下さんは次の6つのことを考えるそうです。

  • プレゼンで伝えたい “ゴール” は何か?
  • メッセージを伝えたい本当の相手はだれか?
  • 誰がプレゼン資料を説明するのか?
  • 本当は誰が資料をつくるのがベストなのか?
  • 資料の準備に何時間かけていいのか?
  • プレゼン資料、配布面積、画面の有無は?

これらを明確にした上で、プレゼン資料作成の構想をまとめていきます。構想をまとめるためには3つの段階があります。

①準備:プレゼン資料のコンセプトを決めて理想的な資料構成を検討する

②熟成:過去資料や本などから知識を蓄えてアイデアを熟成する

③作業:実際にパワポでシートを作成と並び替えを行う

という流れです。この1、2段階目を十分に考えると、資料をどう作成するか何を組み入れるかが明確になるため、結果的に3段階目の資料作成が効率的になると木下さんは語ります。

また、2段階目の知識を蓄えてアイデアを熟成する上で役立つ本も紹介してくれました。

この勉強会の後日、私も図書館で拝読しましたが抽象的なアイデア作りの工程が明確に言語化されており非常にわかりやすかったです。気になった方はぜひお手にとってご覧ください。Amazonリンク

3. ビジュアライズのポイント

ビジュアライズで最も必要な能力は論理的思考だと言います。デザインに自分の伝えたい情報を上手くアウトプットするには、その前段階でどういう情報整理をするとどのようなデザインになるかを論理的に考える必要があるからです。

この論理的思考を念頭において実践的なパワポ術を学んでいきましょう。

①チャートを活用する

チャートの使い方によって伝えてたいポイントが異なってきます。

同じデータでも、伝えたい内容によって円グラフと棒グラフを使い分ける

例えば上の図では、左の円グラフは地域差(A社もB社も関東の売上が過半数を占めている など)が目立つのに対し、右の棒グラフは2社の構成比の差(A社はどの地域からも一定の売上なのに対して、B社は関東での売上が突出している など)が目立ちます。同じ情報でも、伝えたいことや注目してほしいことによって使うチャートが異なることがわかります。

次に資料の質を格段に上げる「写真」と「アイコン」の2つの活用方法を共有します。

②写真を効果的に使う

一枚画像(全面画像)スライドは資料作成でよくあるテクニックです。これをどこに使うのかも重要です。初心者の方は、表紙・扉ページ・ミッション&ビジョン・解決したい議題に挟むのがおすすめです。全スライドが一枚画像だとくどいので、ここぞってときに使うのが効果的です。

一枚画像の参考例

木下さんは全面画像の他に片面画像をレイアウトによく使うと言います。この2つを上手く使うと一気にスタイリッシュになります。

片面画像の参考例
③資料作成で使うべきアイコンとその活用方法

アイコンとは物事を簡単な絵柄で記号化して表現したものです。木下さんによると資料に使うアイコンを選ぶ上で注意する3つのポイントがあります。

  • シンプルなアイコンであること
  • 単色なもの
  • トンマナが揃っているもの

の以上3点です。トンマナとは「トーン&マナー」の略で、広告におけるデザインの一貫性を持たせることを指します。いろんな情報と伝えようとして、ごちゃごちゃしたアイコンやスライド内で統一性のないアイコンを使うと、読み手にとってかえって見にくいスライドになります。一目で情報が伝わることが大切です。

では実際にこれらのポイントを踏まえて、アイコンを適切に活用していきましょう!木下さんがよく利用する方法はテキストとの組み合わせです。

アイコンとテキストを組み合わせた例

アイコンにも使うべき場所があります。目次、図解、グラフ、ポイント訴求の4つです。例えば、図解にアイコンを使うと次のようになります。

アイコンを使うことでクオリティが上がる

右が文字だけで左がアイコン+文字のレイアウトです。小さな違いですが、これだけでクオリティが全然違います。このようなアイコンと文字を組み合わせたデザインは様々なサイトで応用されているため、いくつかの会社の公式 HP に訪問してアイデアを得ることもおすすめです。

これからの時代、デザインと経営の距離はもっと近づいていきます。木下さんはデザインの勉強をしておくといいと言います。これは本を読んだり意識して Web デザインを見たりすることで、どうすれば綺麗になるかを研究することです。余白の使い方や文字揃えや書体など検討の余地はたくさんあります。

以下、勉強会後の質疑応答をいくつかピックアップしました。

Q. 印象的なプレゼンのコツは?

A.1スライド1メッセージ。これを心がける。

Q. 文字を削ることが大事とおっしゃっていましたが、スライドの資料にどれくらい言いたいことを書きますか?

A. 時と場合による。今日の勉強会のように自分でプレゼンする時は文字量の少ない資料だが、企業に納品したあとに、企業内で資料が回される(独り歩きする)時は口頭での補足ができないためスライド内の文字量は多くなる。1スライドの中にタイトル+図+要約のスタイルもおすすめ。

まとめ

人に自分の伝えたいことをまとめる資料作成は、仕事をする上で必須のスキルと言えます。資料はシンプルで統一されたものが読み手にとって一番わかりやすいです。

そのような資料を作成するためには、チャート・写真・アイコンを上手に活用すること、また何よりも、聞き手のことを第一に、何を届けたいかを考えることがカギになってきます。

皆さんも以上のプロから学んだ極意を次の資料作成の時に活かしてみてください。また、興味が沸きましたらゼロイチCafeにぜひお越しください!


執筆者

豊田玲奈 慶應義塾大学2年 

ゼロイチCafeにて勉強会の企画・運営を担当しています豊田です!戦略マーケティングや行動経済学に興味があります。最近、ゼロイチCafeの Instagram も活用し始めました!インスタグラマー目指して頑張っている最中です。

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