2019年6月17日(月)に、「為替相場の読み方-金融市場入門シリーズ-」を開催しました。「はじめての金融市場」に続く今回は、「為替相場の決定理論」という理解が難しい部分に関して、為替アナリストの石丸さんにわかりやすい具体例などを交えながら発表していただきました。また、「経済活動と幸福度」というような違った切り口からもお話してくださいました。

第一回金融市場勉強会の内容を解説する講師の石丸さん

はじめての金融市場

「GDPとは何を示しているでしょう?」復習をかねて、こんな質問を参加者たちに投げかけました。この質問に対して、前回参加者の方が、「国内で生み出された付加価値の合計」であると回答しました。今回の勉強会は、このように石丸さんが参加者に質問を投げかけ、参加者が回答するアクティブラーニング形式で、参加者も積極的に石丸さんに質問を投げかけており、活気のある勉強会となりました。

ホワイトボードを用いてお弁当の例を解説する石丸さん

幸福度とは?

「経済的取引が増加することで幸福度が上がる」と講師の石丸さんは語ります。例えば、2人が晩ご飯の残り物でお弁当を作って持参して食べるだけだと、付加価値すなわちGDP上はゼロです。それが、それぞれ自分の欲しいお弁当をもう一人から1,000円で買い取り交換するとGDPには2,000円が計上されます。お弁当の数は変わりません。しかし、お弁当の交換によって自分がより望むお弁当を食べられるため、それぞれはより大きな幸せを感じます。このようにGDPには人々の幸福度を計測する機能があり、故にGDPを重視し、各種の政策が実施されるのです。その他にも世界の国別幸福度ランキングを元に活発な議論を行いました。

為替相場の解説を熱心に聞く参加者

為替相場の決定理論 -国際収支-

為替相場とは、日本とアメリカの通貨である円とドルの交換比率のことだと言います。為替市場の需要者には、主に実需(海外旅行の時の通貨交換)と投機(差益を目的とする売買)の二つがあります。また、為替介入という例外もあり、中央銀行(ex.日銀)が相場の安定を狙って通貨の売買を行うこともあります。需要の規模としては投機が大きいのですが、売り買いの基調を読む上ではやはり実需の流れが重要であり、それを確認するのが国際収支です。例えば、貿易黒字は外貨を多く稼いでいる状態であり、稼いだ外貨の多くは自国通貨に換えられるため、自国通貨高(日本では円高)の要因となります。勉強会では、為替相場に関する導入として、このようなマクロ視点で解説をしました。

アクティブラーニング形式で盛り上がる参加者

為替相場の決定理論 -リスクオン / リスクオフ-

投機の割合が多いことからわかるようにリスクとリターンに対する投資家の姿勢はそのまま為替相場へ反映されます。リスクオンとは値動きの大きい資産を投資家が選好することであり、リスクオフとは値動きの小さい資産を投資家が選好することです。これらの決定要因としては、自然災害やテロなどの経済環境の変化が挙げられ、場合によっては市場動向自体が決定要因となるようです。今回の勉強会では、リスク回避の通貨はどんな国の通貨なのか、VIX(恐怖指数)と通貨の関係を交えながら石丸さんが解説しました。

参加者の声

大盛況だった今回の勉強会では、参加者から以下のような感想をいただきました!

  • 「難しい内容をわかりやすく噛み砕いてくださり、とても楽しい勉強会でした!」
  • 「為替相場について理解が深まりました。特にリスクオンの時に円高になる理由がよくわかりました。」
  • 「たとえ話が非常にわかりやすく難しい話もすっと頭に入ってきました!第三弾もお願いします!」

石丸さんありがとうございました。

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