東京大学大学院に在学しながら、個人でスポーツチーム向けの動画共有サービス「ClubCloud」を開発・運営している原田眞さん。ゼロイチCafeの勉強会に頻繁に参加してくださる常連さんの一人です。

原田眞さん

自身のプロダクトのクラウドファンディングを成功させたり、企業のソフトウェア開発案件の受託も行うなど、活発に活動されています。そんなアクティブな原田さんが、自力でサービスを立ち上げることにした経緯や今後の展望、また原田さんがゼロイチCafeに参加する理由や、参加して感じたことなどをインタビューしました。

――まず簡単に経歴や普段行なっていることについてお聞きしたいです。

普段はスポーツチーム向けの、動画共有サービスを開発、運営しています。SNSに近いんですが、動画とテキストを投稿して、コツや練習法を共有するサービスです。動画比較や動画キャプチャに描画を加えることもできるので、スポーツの知見の共有がより手軽にできます。

(原田さんがクラウドファンディングをしたときのサイトはこちら→https://camp-fire.jp/projects/view/152303

大学では水文学、特に河川の流量推定などの研究を行なっていました。世界の大河川で、衛星から得られる河川の水位データからその流量を推定するっていうもので、変数の取り方や重みづけを工夫しながら推定していました。

僕結構汎用的なものが好きなので、「河川モデルの構築」などではなく、統計とデータっていう抽象度の高いスキルが身につく研究としてこの手法を選択しました。

あとは学部の時に一年休学して器械体操でインカレ(全国大会)を目指していました。

――体操の為だけに一年間休学したんですか!?

そうですね。休学したらもう一年インカレに出られるチャンスがあると知り、迷わず休学しました。その時はほんとずっと体操をしていましたね(笑)。当時、埼玉栄っていう体操の全国優勝高校に練習に通っていたんですが、そこでの経験がClubCloudを作る原体験にもなりましたね。

倒立を披露する原田さん
プログラミングはサービスを開発しながら学んできた

――プログラミングを始めたきっかけは?

最初にプログラミング?に触れたのは大学1年生の時でした。WOLF RPGエディターというRPGを作ることに特化した製作ツールで戦艦ゲームを作りました。自由度はかなり高いツールだったのですが、GUIが全て日本語だったり、ザ・プログラミングみたいな感じではなかったです。結局プログラミング自体は、敷居が高そうだなと思って手をつけずにいました。あの時からプログラミングをガッツリやっていれば今頃、、、という思いはあります。

そのあとは研究がデータ解析系だったのでPythonを使って、その傍らHTMLとCSSを勉強して今のサービス「ClubCloud」を作り始めました。

――CSSやHTMLはいきなりサービスを作りながら勉強したんですか?

そうですね。Django(PythonのWebアプリケーションフレームワーク)も含めてゼロから学びながら今のサービスを作りました。後からリファクタリング(コードを綺麗に書き直す作業)をしたんですが、今でも昔書いたコードが出てきて懐かしくなったりしてますね。まぁ大抵汚いコードばっかで昔の自分をぶん殴りたくなるんですけどね(笑)。

リファクタリングを楽しむ原田さん

――今のサービスを開発する為にプログラミングを学び始めたということですか?

きっかけ自体はエンジニアの友人に勧められたことなんですが、最初からモチベーションはClubCloudの開発でしたね。当時は部活運営サービスだったんですけど。そんな感じでAWSやReact Nativeも勉強してきました。ClubCloudに機能を追加していくたびに僕もアップデートされてきた感じですね。

――なるほど、改めて開発されているClubCloudについて詳しく教えていただけますか?

ClubCloudについて話す原田さん

ClubCloudははスポーツチーム向けの、チーム内で動画を共有するサービスです。動画と一緒にコツや練習法を投稿して、チーム内での知見の共有を活発化します。チームといえど、お互いにどういう意識で練習してるかわからなかったり、どういう練習でうまくいったか蓄積がなかったりするので。2018年の夏頃から開発を始めてWebバージョンとiOSアプリは公開しており、ユーザーさんもいます。

――アプリを開発する上で工夫した点などはありますか?

ユーザーヒアリングで、動画の読み込みの遅さについて指摘されたので、そこは気をつけていますね。

読み込みを速くするために、アップロードされた動画を適度に圧縮しています。また、 動画の配信方法にも工夫を加え、速度を向上しました。

――画質の綺麗さよりも速度の方が重要だった?

4Kの動画とかはさすがにサイズが大きすぎたので(笑)。徐々に画質を落としていったんですが、読み込み速度に対するフィードバックはあっても画質に対する否定的な意見はなかったので、今は速度優先にしています。

――技術的にはどのようなものを使用していますか?

Web版とアプリ版を開発していて、Web版はDjango + jQuery + AWSを、アプリ版はDjango REST Framework  + React Nativeを使用しています。AWSは、EC2、 S3、 CloudFrontその他を使用し、動画圧縮でElasticTranscoderを使用しています。データベースはMySQLですね。Web版は今Reactで書き直してます。

あと細かい話になっちゃうんですけど、Web版はReactを学ぶ前にjQueryで実装したので、デザインとロジックが密結合していて苦労しました。デザインが少し変わると動かなくなったりして。ただこれは開発を進めてからわかった問題なので、最初からReactでやっているとありがたさが実感できなかっただろうなとも思っています。

開発を進めたからこそ便利さを実感するそうです

勉強会で視野を広げられる

――そういう後から分かる問題を避けるにはどうすれば良いのでしょうか?

できるだけ余裕がある時はじっくり吟味してフレームワークを選ぶのが良いなと思いますね。

そういった視野を広く持つ意味で、ゼロイチCafeのイベントや勉強会はありがたいなと思っています。特に自分一人で開発しているとなかなか新しい技術を導入するきっかけが生まれなかったりするので。

――なるほど、原田さんは昨年10月頃から、頻繁にゼロイチCafeの勉強会に参加していただきましたね。参加のきっかけを教えていただけますか?

はい、元々興味があってゼロイチCafeさんのTwitterのアカウント(@01cafe_jp)をフォローしていて、自分のスキルとマッチした勉強会があったので参加しました。僕がWeb版をひと段落させてアプリ版を作り始める時期でしたね。

ゼロイチCafe Twitterアカウント

――参加してみていかがでしたか?

参加してみた感想は一言で言うと、至れり尽くせりでありがたい、ですね。

僕の開発しているサービスについても堀江さん (ゼロイチCafe CTO) の知人で興味がありそうな方を紹介していただいて、いろいろ意見をいただくこともできました。

もくもく会で作業している内容から話を広げて親しくなったり、人とのつながりを増やせる場としていいなと思っています。

あと駅から近くて便利ですね。

――そこやっぱり大事ですよね。

インタビューの様子
その手にハンマーしかなければ全ての問題が釘に見える

――視野外の知識を得ることは個人で開発する上で重要ですか?

僕の好きな言葉に「その手にハンマーしかなければ全ての問題が釘に見える」っていう言葉があって。

人間、自分の知っている手段でしか物事を解決しようとしないけど、それってたいてい最適解じゃないし、色々知っておこうねって言葉なんですけど、まさにその「ハンマー」を増やすっていうのはとても大事なことだと思うんですよね。

あと、人に会いにイベントに行っても立食とかで技術的に浅い話で終わっちゃったりするんですが、ゼロイチCafeの勉強会、特にもくもく会(作業する内容を各自が持ち寄り助け合いながら進める会のこと。参考記事:https://01cafe.jp/reports-20191016)では実際にコードを見て深いところまで喋れるのが良いですね。

人生最初のもくもく会はゼロイチCafeで

――原田さんは何度ももくもく会に参加していただいていますが、ゼロイチCafeはどんな人が来ると良いでしょうか?

やっぱり広く技術を知ることができるので、個人で開発している人はとてもいい機会になるかなと思います。Raspberry Piだったり、Vue.jsだったり自分の使っていない技術が知れると楽しいですね。

あとは他の場所で開かれているもくもく会に比べて敷居の低いのも良い点だと思っています。勉強法も聞けるオープンな雰囲気と学生が多い点で特に参加しやすいと思います。何かしら新しいきっかけが欲しい人もいい刺激が受けられると思います。

志があって手を動かし始めたけれど、その進め方に不安があったり、視野を広く持っていたい人は特に活用できる場所だと感じています。

――プログラミングへのモチベーションがあれば参加できますもんね

そうですね。参加する敷居はとても低い一方で、しっかり話そうと思えば実際のコードを見て深いコミュニケーションが取れる場所だと思っています。

なので、人生最初のもくもく会はゼロイチCafeがいいのかなと思います。

――なるほど、本日はありがとうございました。

この記事を通してゼロイチCafeの勉強会の様子や、どんな人が参加しているのか雰囲気が少しでも伝われば幸いです。

関連リンク:ClubCloud – https://www.club-cloud.jp/


執筆者

慶應義塾大学4年 小松祥也

大学ではソフトウェア工学を学んでいます。ゼロイチCafeに来てくれた方の交流を活発にしてより深く学べる環境づくりをしていきたいと思います。